笑顔でつながる家族の輪(fam[ファム] 2020年冬号)

佐々木ご一家
家族の輪

お菓子作りの仕事を続けたい!
義理の両親が営む電器店の中に、かおり菓子店をオープン

仕事を始めたらギュッと集中。そして家では、大切な家族と
まったり。周囲の協力を得ながら、自分の時間の使い方にも
うまくメリハリをつけることで、仕事も子育ても一層充実。

パティシエとして、まい進していた矢先の帰郷

─お菓子作りを仕事にしようと思った理由は?
実家が寿司屋だったこともあり、食べ物に関わる仕事に興味がありました。中でもお菓子は、小さな子どもからお年寄りまで、幅広く喜んでくれるイメージがあって。地元の高校卒業後に上京し、お菓子やパンを扱う店で働きながら、国家資格の製菓衛生師を取得しました。その後パティシエとして勤務した店は、商品のクオリティに対して本当に厳しく、技術的にもメンタル的にも、かなり鍛えられましたね。

─ところが、突然の帰郷。その後、お菓子作りは?
母が倒れてしまい、実家の接客を私が手伝うことに。幸いにも、しばらく療養した母は回復し、私は地元で就職しました。お菓子は、実家を手伝いながら家族にふるまったり、親戚の誕生日に作ったりしていました。皆とても喜んでくれて。それが口コミで広がり、知らない人からも「ケーキを作って売って欲しい」と頼まれるようになったんです。それで、小さな菓子工房を建てて保健所の許可をとり、完全受注販売のかおり菓子店を始めました。それからは、もう毎日お菓子作りです。

夫の家業は盛岡の電器店。義理の両親も菓子店を応援

─田野畑でお菓子作りに没頭する毎日。どんな出会いから、盛岡で結婚を?
私の姉の友人が、夫と同級生だったんです。彼女が、「雰囲気が似ていて2人は気が合いそうだから、会ってみたら?」と紹介してくれました。でも、お互いグイグイ行くタイプじゃないので、すぐに仲良くなった訳ではなく。周囲が盛り上げてくれた感じです。

─結婚を機に、ショップinショップの形で盛岡に開店
夫が、店(AVライフササキ・盛岡市みたけ)の中を(菓子販売に)使っていいよと言ってくれたので、お菓子の拠点を移すことも、盛岡で菓子店を開くことにも、不安はありませんでした。

─焼き菓子がお店の主力商品なのも、特徴的ですね
以前、クッキーをプレゼントしていたら「それも売って!」と頼まれたのと、東京のお店で1年間クッキーを担当していたこともあり、個人的に焼き菓子の奥深さを感じていたんです。お菓子には、田野畑牛乳や野田塩など、地元の良質な食材を使っています。甘いものの他、おつまみクラッカーなどは大人に人気。産休に入る際の職場に配る用として、ベビークッキーを注文される妊婦さんもいます。

─現在、1歳の娘さんを育てながら仕事。大変なことは?
昼間は保育園に預けていますが、家では絶対に娘優先。仕事を持ち帰らないようにしています。なので、時間内に終わるよう、仕事は詰め込み過ぎない、頑張りすぎない、を心掛けています。まず最初にやる事を書き出して1日のスケジュールを確認したら、仕事に集中! それでも、菓子の営業時間後に商品お渡しがある場合は、お義父さん・お義母さんにお願いすることも。家族、保育園の先生、お客さんにも助けられて感謝です。

家族のプロフィール

ママ:佐々木香(ささきかおり)さん・34歳・田野畑村出身・「かおり菓子店」店主 パパ:雄太(ゆうた)さん・37歳・盛岡市出身・両親が営む電器店AVライフササキ勤務、長女1歳の3人家族。
香さんは、高校卒業後、東京でパティシエとして働いた後、実家の寿司店を手伝うため帰郷。2015年菓子製造営業許可を取得して、 実家の横に受注販売の「かおり菓子店」を開業。その後、雄太さんと出会い、2018年結婚&AVライフササキ内に「かおり菓子店」オープン。2019年5月長女誕生。