笑顔でつながる家族の輪(fam[ファム] 2022年冬号)

舘澤さん親子
家族の輪

子宮頸がん、死産を乗り越え3人のママに。
持ち前のポジティブ思考で
子育ても仕事もパワフルにこなす。

ふさぎ込んでいた時に出会った空中ヨガで、自分の心身と向き合えた。
現在は出産経験のあるパーソナルトレーナーとして、
産後太りの身体ケアやボディメイクをレッスン。

─若くして子宮頸がんを経験
22歳の時に一週間ほど入院して円錐切除術を受けました。ほどなく日常生活に戻りましたが、子宮頚部が短いため流産しやすい状態で、一人目の子どもはなんとか無事に生まれたものの、二人目は死産。その後の2人は早産でした。

─その後、パーソナルトレーナーになったきっかけは?
元々、体形にコンプレックスはありましたが、ターニングポイントは息子の死産ですね。家族のためにも私が泣いてばかりはいられず、何か全く新しいことをして気持ちを変えようと、偶然見つけた空中ヨガに通い始めました。自分の心身を見つめ直して前向きになり、インストラクター資格を取得。さらに、空中ヨガとフィットネスを融合したボディメイクを始めました。スタジオを開くきっかけになったのは、次女の妊娠7ヵ月目、進行早産で緊急入院した時です。出産まで約3ヵ月あり、コロナ渦で家族に会えない寂しさを、楽しいことを想像して紛らわせようと、「もしも自分でスタジオを開くなら」を考えました。スタジオ名やロゴデザインを考えていたら、本気になってきて。ところが入院1ヵ月目に胎盤早期剥離で緊急帝王切開。私は出血多量で輸血、赤ちゃんはNICUに3ヵ月入院でした。退院後、私は思い切ってスタジオ開業を夫に相談。経営は初めてで不安なことも、正直に話しました。すると夫は「失敗してもいいから、やってみたら」と言ってくれたんです。

─スタジオを開き多忙な毎日。周囲の協力はありますか?
私が感じる醍醐味は、車両を停止する際のブレーキ。電車のブレーキは7段階あり、通常使用するのは3段階まで。想定通りのブレーキ操作で、駅での停止位置も時刻もピタッと決まると気持ちいい!嬉しいのは、沿線で電車に手を振る親子連れなどを見かけた時ですね。鉄道は地域に身近な存在でありたいし、子どもたちにとっても電車が身近であって欲しいと思います。

─今後の夢や展望は?
将来はスタジオを大きくして、インストラクターも育成したいです。個人的には、子ども達から「お母さんってスゴイ!」と思われたい。カッコイイ存在でありたいです。

家族の輪冬号2022

週末に料理を作り置き

料理は、週末に1週間分を作り置きして平日の家事を軽減。キノコや海藻などバランスを心掛け、10品程作る。
由佳ママの平日一日を追っかけ

家族のプロフィール

ママ:舘澤由佳(たてさわゆか)さん・37歳・花巻市出身。「ボディメイクスタジオ アギシャン」オーナー兼トレーナー。
パパ:祐哉(ゆうや)さん・30歳・盛岡市出身・会社員。
長女8歳、長男3歳、次女2歳の5人家族。

由佳さんは会社勤めをしながら、ブラックミュージックやレゲエダンスに夢中に。22歳で子宮頸がんが見つかり、切除。その後、同じ会社で祐哉さんと音楽を通じて知り合い、結婚。空中ヨガをはじめ、複数のフィットネスインストラクター資格を取得。2021年1月開業、同年10月にボディメイクスタジオを滝沢市鵜飼にオープン。