笑顔でつながる家族の輪(fam[ファム] 2024年夏号)

太田さん一家

photo/出張こども写真「ハートグラフ」

fam[ファム] 2024年夏号

家族の輪

子育ても仕事も隔てない。
懐かしくて新しいスタイルで営む
子ども連れでも楽しめるお店

妊娠・出産と同時にお店もオープン。
親子3人でお店に立ち、子どもの成長を
間近で感じてきた元保育教諭のママ。
今春長男がこども園へ入園し、新しいステージへ。

家族のプロフィール

ママ:太田咲子さん (おおたさきこ)さん・29歳・秋田県湯沢市出身。
パパ:直希(なおき)さん・30歳・普代村出身・共にValoオーナー。

長男3歳の3人家族。咲子さんは大学卒業後、盛岡のこども園に就職。飲食店で調理師として働いていた直希さんと出会い2020年11月に結婚、2021年3月に長男誕生。2021年11月、盛岡市菜園にValoをオープン。子どもを保育園に預けずに、子育てと仕事を両立しながらお店を営んできた。長男はこの春からこども園へ。

お客さんは家族や友達のよう

─初めてお店に立ったのは?
生後7カ月のときに、おんぶしてお店に立ちました。大人しいから初めはリュックを背負っていると思われていたようで、息子に気づいたお客さんにビックリされたこともあります。「私も昔こうやって仕事していたな」と懐かしんでくれる年配の方から、「おんぶしながらすごーい!」と可愛がってくれる若い方まで、思っていた以上に子どもと一緒にいることに賛成してくれる方が多くほっとしています。息子と家族のように遊んでくれる方も多くて、念願だったアットホームなお店にできました。夜泣きなどもなく誰にでもフレンドリーな息子にも助けられています。

─仕事もプライベートも緩やかに繋がっていますね
ガチっと分けるのが苦手なんだと思います。例えば家事は、結婚したばかりのときに一度役割分担してみたんですが、やりたい気持ちが起きないのにやんなきゃっていうのがしんどくて。やりたい時にやるのが自分達に合ってる。仕事ではお客さんと仲良くなって遊んだり、夫婦喧嘩をしたときはインスタでお客さん達に慰められたりすることもあります(笑)。

─働く親の姿を見て育つ
最近閉店後にお皿を洗っていると、一緒にやりたいと手伝ってくれるんです。ご褒美があるからやるわけじゃなく当たり前にやっている姿が嬉しいです。一応調理器具は触れさせないことにしているのですが、手を伸ばさない限りはダメと言わないようにしています。命の危険がない限りは見守りたいと思っていて。だから店の中では裸足でもOK。すると自分でいろいろなことができるようになるし、言葉でちゃんと伝えてくれるように。保育教諭の経験はかなり糧になっています。

─息子さんの入園、心境は?
朝、園バスに乗るときに泣く息子を見て、やっぱりぐっときました。でもお迎えに行ったらケロッとしていて、最初だけでしたね。いろんな人と触れ合ってきたから、知らない場にも馴染みやすいのかもしれないです。小さい頃は買い出しがてら一緒に大通りの八百屋さんまで行ってみたり、桜山の方にちょっと歩いてみたり、基本この辺で収まっていたのですが、自我が芽生えてきてからは外に出たがることがどんどん増えてきて。もともと3歳になったら預けようとは思っていたので、遊びの幅を広げるためにも必要なタイミングでした。生活にめりはりができることを期待しています。

─これからの目標は?
盛岡で子連れで飲みに行けるお店は少ないし、ママが夜に飲みに行くのは預け先などのハードルも高いですよね。うちのお店は昼から子どもと一緒に気軽に来れるので、子育て世代の方にもっとお酒ライフを楽しめるよっていうのを知ってほしいです。子どもがいることで生じる制限はもちろんあるけど、その中でどれだけ楽しめるかは自分次第。SNSやお店での自分達の姿を通して、もっとパパ・ママの肩の荷をおろしてもらえたらと思います。

釣った魚は翌日お店に出ることも!

釣った魚は翌日お店に出ることも!

休日は大船渡や宮古の海へ釣りに。遊ぶなら普代浜園地キラウミがおすすめ。

咲子ママの平日一日を追っかけ