妊娠・出産を経て慌ただしく始まる子育て。“初めて”をたくさん経験する第一子の乳幼児期間は、誰しも特別で思い出深いもの。昨年、盛岡バスセンター内にオープンした子育て支援センター「あそびの広場」に遊びに来ていた第一子育児中のママ達に、リアルな子育て事情を聞いてみたよ。
協力：子育て支援センター「あそびの広場」
−みなさん育休中ですか？
下春：私は働いてないです。今は東京の自宅と盛岡にある実家を数ヶ月単位で行き来しています。幼稚園いつ入れようかなって考え中。でも幼稚園の情報が全然わからなくて。ネットで見てもさっぱり。
奥寺：私は育休中です。専門学校で料理の指導を担当しています。保育園には1歳になったタイミングで申し込んだけどダメで…。今は育休を半年延長しました。空いているところはあるんでしょうけど、職場や実家からも通いやすくて見学でも印象が良かった園に入れたくて。
下春：延長できるのはいいですね。できないところもあるし。
奥寺：うん、それは本当に会社に感謝しています。妊娠中は正直預けられれば一緒なのかなって思ってた。早く預けて復帰して…って思ってたんですけど、実際見学してみると園によって違うんだなって。
賀口：雰囲気とか行事とか、全然違いますよね。
奥寺：そうそう、希望の園に入れたいなあって気持ちになってきました。
下春：子どもが生まれると、考え方が変わってきますよね。
賀口：私は函館に住んでいて、帰省中です。保育士を辞めて今は主婦ですが、働き口があれば外に出たい気持ちもめちゃくちゃあります。でも前の職場がすごく良かったので、違うところで働くのにためらいがあって。できれば戻りたいなあ。
−初めての育児、ひとことで表すと？
下春：今は楽しい。でも最初は1ヶ月くらい記憶なかった (笑)。
奥寺：私も楽しい。今まで仕事しか知らなかったから、未知の世界という感じで。思い通りにならないし戸惑いもいっぱいあったけど、なんとか楽しんでやれてる感じ。
賀口：私も、大変な部分もあるけど毎日癒されてます。
−コロナ禍での妊娠・出産は?
下春：立ち会いもお見舞いもダメでした。私の場合、産後が大変で大学病院に回されたんだけど、荷物を受け取る時でさえ夫に会えなくて。痛いし一人だし赤ちゃんとも離れ離れで、メンタル病みました。でも結局なにもかも初めてなので、こういうものなのかなって思ったりもして。
奥寺：うん、立ち会いってどんなものなんだろうって。他に知らないですもんね。
賀口：私はわりと落ち着いている時期で、立ち会えたし産後も一緒にいれました。PCR検査の都合で、夫は2週間前から仕事を休む必要があったのは大変みたいだったけど。
奥寺：産後はやっぱり、人に会う機会はすごく少なかったです。友達も気を遣って、赤ちゃんいるからまた今度ね、みたいな。コロナじゃなかったらいろんな人に会う機会あったんだろうなとは思います。最近になって、ようやくこういう場所に来始めました。
賀口：私も最初は気にして外に出てなかったけど、家にこもってばかりじゃダメだなと思って。
下春：一緒です。初めは怖がるだけだったけど、最近は自分なりに判断できるようになったかな。
−よく遊ぶ場所は？
奥寺：冬は外遊びが難しかったので、ここにきて遊ぶのがメインでしたね。
下春：以前肴町にあった「にこっこ」にも行っていたけど、無くなってからはここによく来ています。
奥寺：それに、ここは先生が親切にみてくれて、声かけてくれるから安心。お母さんのケアもあって助かります。
下春：最後に帰りの会というのがあって、紙芝居を読んだり歌をうたってくれたりするんです。他ではあまり見かけないですよね。
奥寺：すごく人気で、特に午前中は人が多い印象。だから午前中はお散歩して、午後にご飯食べてから来る日もあります。
下春：家にずっといると時間が経つのが長く感じるし、子どもとの遊びもマンネリしてきてね。
奥寺：こういう場所では自分も充実感あるし、遊ばせたなって気持ちになる。ありがたいですね。
賀口：函館よりこっちの方が遊ぶところは多い気がします。向こうは町が広くて車がないと不便だけど、盛岡は駅周辺とか大通りとかこことか、ベビーカーで行けちゃう距離感がいい。暖かい時期には動物園とかも行きたいな。
奥寺：うんうん、動物園楽しみ。外なら大きい声出してもいいし。
−ママ友っていますか？
賀口：ここ来てしゃべるって感じですね。あとは、これまでの友達で出産している子とか…。
下春：私は最近できて、待ち合わせて一緒に遊び場に行ったりできるようになりましたね。
奥寺：私はあんまりママ友作りに積極的になれなくて。コミュニティが出来ていると、そこに入るってなかなかできないので。
賀口：保育園預けたりしたら変わりそうですよね、ご飯一緒に行ったりするのかな。
下春：こういうところに来た時に、たまにポツンとなる時があって(笑)。仲良さそうなママ達の中に入る勇気はないから…。上のお子さんの時からずっと来ているんだろうなぁって見ています。
賀口：新しい友達欲しいですね。
下春：気を遣わなくていい友達ね。情報とか共有したい！
−パパは育児に関わっている？
下春：夫が東京にいて四六時中一緒にいるわけじゃないんですが、たまに会うと100%育児やってくれます。遊ぶ時も携帯触らず真剣に。一人暮らしが長かったから、掃除も料理も一通りしてくれる。
賀口・奥寺：いいなー！
下春：クオリティは全然ですよ(笑)。だけど頑張ってくれているので助かります。
賀口：うちは育休取ってくれました。2週間くらい休めたかな。立ち会いのタイミングも見計らって。でも息子は、母乳だからかママっこ。旦那も育児が初めてなので、悩みながら子どもと関わって遊んでいます。みなさんの旦那さんは子どもをあやしたりしますか？
下春：最近慣れてきたかな。1年くらい経ってようやく自然になってきたかも。
賀口：たまに夫に対して保育士目線になってしまうことがあって (笑)。子どもが泣きやまないと「お願いー！」って言われたり。
奥寺：奥さんが元保育士だと頼っちゃいそう。
賀口：実際は集団生活に慣れてる保育園の子と我が子では全然違うし、知識がある分些細なことが不安になることも多くて私も余裕ないんですが…。
奥寺：うちは主人が飲食業で、生活リズムが逆。起きている時にパパがほぼいないワンオペ状態なので、家事の分担ってなると難しいですね。でも、性格上人を喜ばせることが好きなのか、子どもと関わる時は全力でやってくれる。私より上手な感じ。
−育児中の息抜きは？
賀口：子どもとの散歩ですかね。歩くだけで息抜きになります。
奥寺：出産前はよくライブやフェスに行っていたので、その映像をみたり配信を見たりすると、その時の気持ちがよみがえってきて解放感はありますね。子どもが寝た後にイエーイって。ああこの感じって(笑)。
下春：私は買い物ですね〜。
賀口：好きそう! すごく綺麗にしているからすごい。私まだ美容院にも行けてなくて。預けちゃえばいいんだろうけど後追いがすごくて。産後脱毛にもなったし…。今日も頑張ってアホ毛抑えてきました。
下春：髪質も肌も変わりますよね。前の写真みると「え、こんな顔？」って思う。
賀口：同級生と写真撮ると老けたなーって。顔がやつれてる。
下春：鏡より写真ショックだよね。栄養取られたって感じ(笑)。
奥寺：でも大変だけど楽しいよね。苦ではない。
賀口・下春：うんうん。
−2人目は考えている？
下春：最近だんだん赤ちゃんじゃなくなってきて。寂しくないですか？ 他の赤ちゃんを見かけると、また産みたいなって思う。でも現実を考えると、もう産みたくないっていうのもあって(笑)。出産が壮絶だったから。
賀口：夫は欲しがっているけど、無理と言ってます。できれば、あと2倍関わってあげたい。甘えん坊だし、最近夜また何回も起きるようになって。
奥寺：私は高齢出産でスムーズに授かれたわけでもなくて。兄弟がいた方がいいよなあと思うんですけど、とりあえず一人かなって。「諦めないでいいのよ」って周りに言われるんですけどね。年齢のこともだけど、働くこともやっぱり考えないといけないので。
−親子でやってみたいことは？
賀口：外に連れ出していっぱい遊びたい。ピクニックとかキャンプとか。
下春・奥寺：うんうん、キャンプ行きたい!
賀口：自然を好きになって欲しい。私は虫が無理なんだけど、子どもには好きになって欲しい。生き物とか植物とか。手作り体験もいいな。竹とんぼとか火おこしとか。
奥寺：キャンプいいですね。フェスとかも大きくなったら行きたい。見てる余裕全然ないと思うけど(笑)。
下春：夫婦そろってアウトドアに疎いから、挑戦してみたいですね。海に行くとか。子どもをきっかけに世界が広がりそうですね。
子育て支援センター あそびの広場
住所：盛岡市中ノ橋通1-9-22 盛岡バスセンター西棟２F
時間：9:00〜17:00（12:00〜13:00消毒のため休館）
利用料：無料
休館日：火曜、祝日、年末年始
就学前の子どもと保護者が利用できる遊びの場。手作りおもちゃで遊んだり、子育て相談ができたり、地域の情報を知ることができる。
［左から］
奥寺綾さん(40歳) 朝音(あさね)ちゃん(1歳)
下春萌さん(33歳) ひなたちゃん(2歳)
賀口唯さん(25歳) 空奏(そら)くん(0歳9ヵ月)