笑顔でつながる家族の輪(fam[ファム] 2023年夏号)

佐々木さん一家
家族の輪

手足の先まで「私」がみなぎる。
ママになった今こそ強く感じる、
さんさを踊ること=私らしさ。

幼稚園の頃にさんさ踊りと出合い、2015年にはミスさんさに。
北上市在住ながら盛岡の2団体に所属し、
練習会やイベントに参加。尽きない情熱の理由を聞いた。

─さんさの出合いと現在。
 幼稚園でさんさと出合い「もっとやりたい!」と気持ちが高まり、小学1年から地域の団体に所属しました。ミスさんさやミス太鼓になった先輩方が練習に来てくれて「いつかは自分も…」と憧れが強くなり、2009年から5年間はミス太鼓を、2015年に念願のミスさんさに就任。今は2つの団体に所属し、週末は盛岡まで出かけて練習を、声がかかれば県内での派遣活動にも参加します。妊娠前には海外にも行ったりして、主人の待つ自宅ではなく利便性の良い実家から各地へなんてことも。本当に忙しかったけれど、充実していました。


─結婚・出産後もさんさを続ける原動力は?
 さんさを踊る時、私が私らしく幸せな気持ちになれるんです。というのも結婚・出産を経てから、妻でも母でもなく佐々木瑞希としていられる機会はとても貴重だと感じます。それに専業主婦なので、仲間と話ができる練習や派遣活動は子育てから解放されるリフレッシュタイム。引っ越してきたばかりで近所に悩みを相談できる人が少ないのもあって、毎日の家事育児を頑張れるのは、さんさのおかげです。また、盛岡での練習時はパパに子ども達をお願いしたり、それぞれの実家に預けることも。家族が快く送り出してくれるのもさんさを続ける力になっています。

─さんさを踊るママを見て、子ども達はどんな反応を?
 寝かしつける時に「ダンコンダラスコダン…」と口太鼓をしてきたせいか、曲を聞くとウトウト。一曲踊る姿を最後まで見てもらうのは、もうちょっと先かな(笑)。家ではかけ声や口太鼓を覚えたり、おもちゃの太鼓で真似したりするので、さんさは好きみたいですね。さんさに限らず、地域文化に触れる機会を与えたくて、娘の幼稚園選びで優先したのは、北上の伝統芸能である鬼剣舞の体験ができることでした。私自身が幼稚園でさんさに出合ったように、将来につながる何かを得られることを期待しています。

─育児で大切にしたいこと。
 言葉で伝えることを意識していますね。小学生の時からさんさ踊りを通じて、いろいろな年代の方と交流してきたのもあって、気持ちを言葉にして伝えるコミュニケーションの大切さを肌で感じてきました。なので、自分の子ども達にも「ことばで、おくちで、おしえて」と、日常会話の中で話かけています。あとは、生後4ヵ月くらいから始めた絵本の読み聞かせも続けています。場面によっては声色を変えたりして、雰囲気や臨場感を出すこともありますよ。

─もうすぐ「盛岡さんさ踊り」本番ですね。
 私が所属している団体では、観ている方を楽しませるために、輪踊りしたり、前後交差したり、V字になったりと構成が変わっていくので、ミスなく美しく踊れるように、目線や足先にも気を付けながら練習を重ねています。昨年は、ママになって初めてのさんさ本番で疲労感もかなりありましたが「私、生きてる~!」という心地良さがたまらなかったです。ママになってもパレードに参加できることに感謝しつつ、今夏も華やかなさんさ踊りを披露します。

ママ手作りのさんさミニ太鼓♪

ママ手作りのさんさミニ太鼓♪

ハンドメイドも好きな瑞希さん。ミルク缶を土台にコルクやフェイクレザーで仕上げた、クオリティの高さが自慢!

家族のプロフィール

ママ:佐々木瑞希(ささきみずき)さん・30歳・北上市在住・盛岡市出身・専業主婦。
パパ:健太(けんた)さん・35歳・盛岡市出身・会社員。長女3歳、長男1歳。

瑞希さんが幼稚園の年長時に「盛岡さんさ踊り」パレードに初参加。以降、ママになった今でもさんさ踊りを続けている。現在は、歴代のミスで構成される「さんさ華の連(はなのれん)」と伝統さんさ踊り団体「盛岡さんさ踊り清流(せいりゅう)」に所属。派遣活動では、各地でのイベントや公演に参加。