【女性と仕事】川上塗装工業㈱専務取締役 川上冴華さん×フリーアナウンサー高橋美佳さん

川上冴華さん×高橋美佳さん対談

川上冴華(かわかみさえか)さん

写真左/川上塗装工業㈱ 専務取締役。39歳。2007年結婚。社長であるパパ(43歳)、長女(10歳)、次女(6歳)、長男(3歳)の5人家族。今春4人目を出産予定。岩手県中小企業家同友会 女性部会 副部会長ほか、様々な団体の役職を務めている。会社では、業務効率化を目指して新システムを採用するなど、時間を大切にする働き方を推進。趣味はプロレス観戦。

川上塗装工業株式会社
電話:019-601-4104/[住所]盛岡市三ツ割3-2-11/[設立]2005年2月/[業務内容]住宅塗装工事、建築板金工事、大工リフォーム工事、左官仕上げ工事、装飾塗装

高橋美佳(たかはしみか)さん

写真右/フリーアナウンサー。「しゃべラボ」代表。42歳。2010年結婚。パパ(44歳)、長男(8歳)、長女(5歳)の4人家族。2021年に立ち上げた「しゃべラボ」では、幼児と小学生を対象に、アナウンス・音読・マナーをオリジナル教材で指導。自分の想いをきちんと伝えられる大人になって欲しいと、子ども達との時間を楽しみながら重ねている。

仕事と子育てのバランスを取りながら、ママが働くことの意義とは。3人の子どもを育てながら、川上塗装工業㈱の専務取締役を務める川上冴華さんに、フリーアナウンサー高橋美佳さんがインタビュー。

仕事とは自分らしく生きること

高橋まず、ママが仕事をするメリットとは何でしょうか。
川上妻や母ではなく自分でいられる時間を持てることですね。
高橋そうですよね。育休から復帰した時のあの解放感。ママが働く場を持つと、いろいろな効果がありますよね。
川上仕事をする=生きることだと教えていただいて、人との出会いや新しい経験、さらに厳しい試練を通して人間として成長できるのが仕事の良さですね。

高橋ご自身の子育てや家事と仕事のバランスはどうですか。
川上子ども達は、ほぼ保育園にお任せ。先生方が愛情たっぷりに子ども達と接してくれるので、安心してお願いしています。家事は得意ではないということを、夫も義理の母も理解してくれているので、必要最低限。食事もシンプルですよ。
高橋私もフリーになり「しゃべラボ」を立ち上げて2年目になりますが、初めは子育ても家事も仕事も全部完璧にこなしたいと思っていました。でも、うまくいかず、家族に当たってしまうことも。夫の冷静なアドバイスもあり、今は「できない自分」を認められるようになったかな。最近は、美味しい冷凍食品に頼ったりして、力の抜きどころが分かるようになりました。今年の私のテーマは「やんべに(良い塩梅に)」です。
川上私と真逆ですね。子どもの頃から運動も勉強も、人並み以下で。「できません!」と自己開示して、周りにサポートしてもらうタイプなんです。あと、あまり悩まないかな。悩みは全て課題に置き変えて、その課題を解決するというアプローチをしています。ソファの下が思うように掃除できないという我が家の課題には、その空間を無くせばいいのではと、昨年末にソファを処分。代わりにヨギボーを置いたら、掃除もスムーズでスッキリしました。

高橋会社では、ママ社員をどのようにサポートしていますか。
川上産休育休はもちろん、急な休みや早退なども柔軟に対応しています。パパの産休も応援していますが、一時的な給料減にためらいがあるみたいで、男性の家庭進出はまだまだですね。

高橋岩手で女性が働きやすくなるために大事な点とは。
川上岩手全体でというよりも、各企業の姿勢が問われていると思います。経営者は社員を大事にし、社員はお客様を大事する。当社では、この好循環を実践していますが、企業ごとの取組みを重ねることで、女性も男性も働きやすい環境に向かうのではないでしょうか。

高橋SDGsの取組みも、昨年から始められたんですよね。
川上そうですね。SDGsを考えるきっかけは、省エネ塗料「ガイナ」との出会いです。ヨーロッパにエネルギー視察に行った社長が環境への意識を持ち帰り「ソノツヅキ」と名付けたこの空間から、SDGsの活動を広げることにつながりました。現在は、各分野の専門家を招いてのイベント、古布の資源循環などを進めながら、子ども達により良い未来を残していきたいと思っています。

高橋できることから始めるのが大切ですよね。最後に、ママ達へメッセージを。
川上女性は生活の優先順位が家族になりやすく自分を見失いがちですよね。まずは、自分の心と体の声を大切に、息抜きする努力を。そして、悩み過ぎず、いい意味で「テキトー」に。
高橋「やんべに」ですね。

※この記事は「fam春号vol.31(2022年3月)」に掲載されたものです。