笑顔でつながる家族の輪(fam[ファム] 2021年冬号)

佐藤さん一家
家族の輪

出産をサポートする助産師の仕事。
自分が妊娠出産を経験し、より一層
妊婦さんに寄り添えるようになった

本誌で連載中の「助産師あいぼんの育児絵日記」作者が登場。
産婦人科医院に勤務する助産師の仕事、二男一女の子育て、
家族の出来事をつづる育児マンガについて語ってくれた。

 妊婦さんや、ママさんにやさしく寄り添う助産師

─自身の妊娠出産の経験が助産師の仕事に役立っていると思うことはありますか?
 妊娠出産の不安や感情の波を共感できるようになりました。私は長男の妊娠時、自然分娩できて当たり前と思っていたのに帝王切開することになり、最終的に自分で決断したとはいえショックで、産後しばらくの間いじけていました。でも、そうしている間にも子どもはお腹をすかせ、排泄し、泣く…。私がいじけている場合じゃないと我に返りました。それに、人に頼ったり、工夫や手抜きもしないとやっていけないのが育児の現実。そんな体験から、仕事ではママさんの気持ちが楽になるような方法を提案したり、家事と育児と仕事でストレスフルなことも理解できるので、時にはアドバイスより、悩みや愚痴をただ受けとめて寄り添うことが必要なのだと思うようになりました。こちらの共感が伝わると安心してもらえる実感もあり、仕事のやりがいにもつながっています。

─仕事と育児のバランスはどのようにやりくりを?
 子ども2人目まで、私は夜勤ありのフルタイム勤務。深夜勤の時は、子どもを寝かしつけて出勤。夫は朝、子どもたちに朝食を食べさせて身支度を整え、保育園に送って出勤。今振り返ると「私も夫も、よくやってたなぁ」と思います。ただ、葬祭業の夫も休日が不規則。日曜に2人で出勤だと、子どもを預けられる所がなかなか無くて。3人目が産まれてからは、私の勤務を平日の日中に変更。それでも毎日、時間が足りないので、家事育児を含むプライベートの用事は、一日1つか2つ出来れば良し、というスタンスです。

 子育てを描いた4コマ漫画。夢は、本にして出版

─漫画を描くきっかけは?
 一人暮らしだった学生の頃、日々の出来事をマンガに描いては実家へFAXで送っていました。描かない時期もありましたが、結婚して長男が生まれると、その可愛さを描きたくなり、次男の面白い言動も描かずにはいられず。娘が生まれて登場人物も増え、知人の勧めで作品をSNSにあげるようになりました。

─末っ子の娘さんは、来春、小学生。マンガにも時々登場した保育園を卒園ですね。
 先生方には本当にお世話になりました。複数の保育園に通わせましたが、長男から数えて足かけ12年。もう、保育園様様です。親が仕事をするためだけでなく、外の世界との関わりによって子どもが成長していくことも大きいですよね。保護者の皆さんと知り合うこともでき、私の人間関係も広がりました。

─子どもたちの将来への希望や、自身の今後の夢は?
 親として「常に味方でいる」を基本に見守りに徹し、将来のことも本人の自由にさせたいと考えています。自分の夢は、描き溜めた育児マンガを本にして出版できたら嬉しいです。それと…末っ子が小学生になっても、famの「育児絵日記」連載は大丈夫ですか? 今後は小学校のネタが増えていくと思いますが育児マンガは描き続けるので、よろしくお願いします!

家族のプロフィール

ママ:佐藤愛(さとうあい)さん・45歳・岩手県大船渡市出身・助産師
パパ:智広(ともひろ)さん・46歳・秋田県北秋田市出身・会社員(葬祭業)
長男14歳、次男10歳、長女6歳の5人家族。

愛さんは大船渡市内の高校を卒業後、県外へ進学し、看護師資格、助産師資格を取得して岩手県や秋田県の病院に勤務。2007年結婚、同年9月長男誕生。2011年4月に次男、2015年9月に長女誕生。現在は盛岡市内の産婦人科医院に勤務しながら、育児マンガをSNSに掲載。本誌でも連載中。