─自身の妊娠出産の経験が助産師の仕事に役立っていると思うことはありますか?
妊娠出産の不安や感情の波を共感できるようになりました。私は長男の妊娠時、自然分娩できて当たり前と思っていたのに帝王切開することになり、最終的に自分で決断したとはいえショックで、産後しばらくの間いじけていました。でも、そうしている間にも子どもはお腹をすかせ、排泄し、泣く…。私がいじけている場合じゃないと我に返りました。それに、人に頼ったり、工夫や手抜きもしないとやっていけないのが育児の現実。そんな体験から、仕事ではママさんの気持ちが楽になるような方法を提案したり、家事と育児と仕事でストレスフルなことも理解できるので、時にはアドバイスより、悩みや愚痴をただ受けとめて寄り添うことが必要なのだと思うようになりました。こちらの共感が伝わると安心してもらえる実感もあり、仕事のやりがいにもつながっています。
─仕事と育児のバランスはどのようにやりくりを?
子ども2人目まで、私は夜勤ありのフルタイム勤務。深夜勤の時は、子どもを寝かしつけて出勤。夫は朝、子どもたちに朝食を食べさせて身支度を整え、保育園に送って出勤。今振り返ると「私も夫も、よくやってたなぁ」と思います。ただ、葬祭業の夫も休日が不規則。日曜に2人で出勤だと、子どもを預けられる所がなかなか無くて。3人目が産まれてからは、私の勤務を平日の日中に変更。それでも毎日、時間が足りないので、家事育児を含むプライベートの用事は、一日1つか2つ出来れば良し、というスタンスです。