笑顔でつながる家族の輪(fam[ファム] 2021年春号)

細田一家
家族の輪

「生まれてきて良かった」と子ども達が思える社会であるように。そのために、私は頑張る!

学生として過ごすうちに岩手が好きになり、岩手の役に立ちたいと県内企業に就職。現在は子育て世代として、県外出身の目線もいかしながらNPOで活動するママに話を聞いた

暮らしていく中で、岩手の 印象が好きに変わった

─岩手大学に入学し、愛知県から初めての東北・盛岡へ
盛岡に来た当初が、とにかく寒かった! 愛知県から来た私には、春先の岩手は寒くて辛かったんです。それと岩手の人は、親しい相手でなければ、心の内の全ては話さない感じがありますよね。そういう面にも慣れず、岩手は苦手だなと思っていました。でも翌年の春、温かくなり始めた途端一斉に芽吹く植物たちの生命力に感動! 長く厳しい冬を一度経験した分、春の喜びが強くなったのかもしれません。実家の愛知に帰った際は水道水の違いを感じ、岩手の水がキレイでおいしいことにも気づきました。人の印象も徐々に変わりました。口に出さないだけで色々考えているし、真面目で心優しいんだなと。そして就職を考えた時、岩手に居たい、何か岩手の役に立ちたいと、県内企業に就職。夫も岩手出身ではありませんが、根底に「岩手が好き」という同じ想いを持っていることが嬉しいです。

─現在、ご主人は単身赴任。平日は娘さんと2人暮らし?
基本的にはそうですね。二世帯住宅で、約8年前に北海道から移住した夫の両親が隣に住んでいます。娘にとっても、おじいちゃん、おばあちゃんがそばにいてくれるのは嬉しいことですが、だからといって、私が義父母を頼りすぎないように心がけています。体調面で負担になってはいけないので、娘を長時間義父母に預けることはしていません。だから娘が熱を出したら職場に理解してもらい、私が仕事を休んだり遅出にしたり。保育園の送迎も私が行きます。保育園は家からほど近く、徒歩20分程度。私も娘も散歩が好きで、歩きながらいろんなおしゃべりをします。季節の変化を感じ、おしゃべりしながら歩く時間を、とても大切にしています。

これからは市民活動で、 岩手に暮らす人の支えに!

─認定NPO法人いわて子育てネットなどで活動
私は、30歳で会社を退職し不妊治療をしていたんですが、その頃に「いわて子育てネット」副理事長の両川さんと知り合いました。その後、娘を出産。
乳幼児の自然遊びをしたいと話していたら「会員になって、あなたがやってみたら」と言われ、昨年度から事業を担当。広報や経営企画などに携わった前職の経験を活かしながら、様々な人が子育てに関われるような事業や、子育て世代に役立つ事業に取り組んでいます。仕事をする上での私の想いは、「娘を含め未来を担う子どもたちが『大変なこともあるけれど、生まれてきて良かった』と思える社会であるように、自分は頑張っている」ということ。時々、夫や娘にも宣言しています。また、子どもが生まれてから、育児や介護をしながら働く、そんな様々な立場の人が支え合って社会が回っているのだと実感できるようになりました。だから、もりおか子育て応援プラザ「マ・モール」など、支援施設をもっと利用してもらえるように、直接来られないママ・パパも「子育てネットがあって良かった」と思ってくれる存在になれるよう、活動していきたいと思います。

家族のプロフィール

ママ:細田真理子(ほそだまりこ)さん・認定NPO法人いわて子育てネット事業担当・愛知県岡崎市出身・39歳 
パパ:北斗(ほくと)さん・地方公務員・東京都出身・37歳、長女4歳、の3人家族。真理子さん、北斗さんとも岩手大学農学部を卒業。真理子さんは岩手大学大学院を修了後、県内企業に就職し約6年間勤務。北斗さんは、北海道大学大学院を修了し岩手県職員に。2009年結婚。2012年、北斗さんの両親が盛岡に移住。2016年10月、長女誕生。