笑顔でつながる家族の輪(fam[ファム] 2025年秋号)

fam[ファム] 2025年秋号

家族の輪
伊藤さんファミリー

子育てをきっかけに広がった視野
たくさんの選択肢と多様な価値観を
自分自身の姿を通して伝えたい

家族のプロフィール

ママ:伊藤倫子さん・39歳・会社員・盛岡市出身。パパ:雄太郎さん・37歳・会社員・八幡平市出身。長女7歳、長男5歳、次女2歳の5人家族。

倫子さんは中学時代からハンドボールに打ち込み、大学では体育教員免許を取得。卒業後は高校での勤務、ワーキングホリデーを経て盛岡へ戻り、専門学校に就職。2017年に結婚、出産。育休を経て仕事を続けるなか、現在の学校教育に疑問を持ち2022年に転職。働きながら個人で活動を始める。2023年よりYUME Schoolに非常勤講師として勤務し、2024年4月より校舎長を務めている。

 「不登校」はなくせるのでは

─フリースクールで働き始めたきっかけは?

今の大人達って、忙しくてどこか生き生きしていない人が多いなと思うんです。希望を持てず仕事のやりがいも感じられず、ただ生きるために働いているような。もともとはそういう社会を変えたいと思っていたのですが、これまで勤めていた学校ではそんな社会に順応するための教育をしているような気がして、辛くなっちゃったんです。そこで、小中高生のうちから世の中を知り、人生を自分事として考えられるようになるための新しい形のスクールを作りたいと考えました。フリースクールは不登校のイメージがまだまだ強いと思いますが、自分が行きたい学校を自分で選ぶのは自然なこと。子どもの主体性を大切にしながら、ワクワクするような体験の先にある「問い」を学びにつなげていけるようなスクール運営を心掛けています。学校に行かないことをネガティブに捉えずひとつの主張として受け入れ、彼らに合うような学び舎を作れば、ゆくゆくは「不登校」って言葉自体がなくなるんじゃないかと思うんです。

─大人達の意識を変えるために

「教育」って、人生を自分の手で紡いでいくための土台作りと引き出しを増やすことだと思っています。どこで何を学ぶかは子どもの数だけあって良いと思うのですが、それを子ども達が望んでも実現しない。なぜなら社会を作っているのは大人達だから。教育も突き詰めていくと政治に繋がります。声を集めて議会や行政と一緒に子ども達のためにより良く変えていきたい。親の経済的負担が減り、みんなが当たり前に学校を選べる地域にできたらと思っています。だからまずは自分がやってみる、こんな選択肢や価値観があるんだよというのを具現化して発信しています。

子どもには「生きていること」 を楽しんでいる姿を見せたい

─子育てで悩んだことは?

今までたまたま手がかからなかっただけかもしれないですけど、ないんです。こうしてほしいという理想がないからかな。子育てに限らず、期待が外れるとがっかりするものですよね(笑)。あとは家事も育児も率先してやってくれる夫のおかげも大きいです。口数が少なくて私とは正反対ですが、良いバランスでやれていて感謝しかないです。忙しいけれど今はやりたい仕事がやれている充実感もあって、心が満たされているためかイライラすることも減りました。

─子ども達に伝えたいこと

ありきたりですが、自信を持って自分の人生を進んでほしいです。これまでいろんな子を見てきて思うのは、周りの大人の姿勢が子どもに大きく影響するということ。親御さんが前向きだと、お子さんの表情もすごくいいんです。だから自分が生き生きと仕事や人生を楽しんで、たとえ辛いことでも「こうやって頑張っているんだよ」と背中で教えることが大切だと思います。そして感謝できる人間になってほしい。一人ではできないことも協力すればできることがありますよね。いろんな経験をしてたくましく育ってほしいです。

休日は母校でハンドボール!

休日は母校でハンドボール

社会人になっても継続し、年に1〜2回、公式試合にも参加しているハンドボール。子ども達も走り回って汗だくに

倫子ママの平日一日を追っかけ